この作品を原作通りのアニメ化というのは間違いだと思う。
原作で特徴的だった台詞やシーンが削られているし、画面の構図や絵のタッチも異なっている。
原作にあった 80 年代のビジュアル文化の影響は無くなっている。
原作をよりポップにし、コミカルなコマを誇張して再構築したような作品。
ポップでコミカルな部分がこの作品の特徴という感じ。
各話感想
第 1 話
とても面白かった。
ただ、原作とは異なる作品という印象。
ポップでキラキラしたエンターテイメントになっている。
荒巻が座長で素子が主演スターの劇場舞台という感じ。
そもそも、原作を再現することは色々困難なのかなと思う。
原作自体が当時の時代のパロディというか、時代の雰囲気を封じ込めたような部分がある。
それを再現するには、制作当時に影響を受けたであろう作品や事物も併せて描く必要がある。
それを時間の経った今実現することは殆ど不可能だと思う。
『ブラックマジック M-66』みたいに、あの時代に映像化しておかないと、あの時代の作品の通りにはならないと感じた。
原作を母親に例えると、本作は母親によく似た明るい娘という感じ。
とはいえ、作品としてはとても面白かった。
次回も楽しみ。
トグサの草のシーンはどうして省略されたんだろう。
原作ではリアリティの演出として重要なシーンだった。
あのシーンを削っても良いという判断になるのは想像がつかない。
その点は違和感があった。
第 2 話
面白かった。
あっという間に終わってしまった。
各話の中で話を完結させず、キリの良いオチを付けない作りなのかな。
話の途中で終わった。
続きはまた次回。
あの世界の街が映像として見られるのは嬉しい。
ただ、思っていたより小綺麗に見えた。
やっぱり原作とはズレがあると思う。
原作はもっと有機的な感じ。
90 年ごろの作品で、アナログ全盛時代の作品。
映画で言うと『ゼイリブ』とかの時代。
本作は、原作通りというより、現代化されていると感じた。
ギャグも原作のテンポとちょっと違う感じがした。
別の人が作っていることを意識させられるような部分がある。
現時点では、原作とは違うけど面白い、といった感じ。
OP の映像、光の表現は問題ないのかな。
ポケモンショック的なラインはクリアしているのだろうか。
第 3 話
全体的にこなれていない感じがした。
もう一度見直したら印象が変わったりするのかな。
演出が過剰な一方で、アクションシーンはフレーム数が足りていない感じがした。
良い部分は良いけど、粗も多いように感じた。
コミカルなシーンが浮いているように感じた。
今回のアニメ版の登場人物にはまだ親近感がないので、コメディをやっても面白さが感じられない。
シリアスなシーンとの繋ぎが滑らかではない感じ。
音楽や効果音も影響しているのかもしれない。
原作に演出を追加した部分があまり上手くいっていない感じがした。
声の違和感は完全になくなった。
この世界やキャラクターに親近感が持てない理由
物語の進展と放送回の区切りが合っていない。
このアニメは、新しい物語が放送回の途中で始まって、放送回を跨いで進展し、放送回の途中で終わるような作りになっている。
視聴者からすると、話の区切りが分かりづらく、物語に集中できない。
草薙少佐のチームの一員であるかのような体験がしたいのに、物語の進展状況の把握が難しい。
そのため、作品内の登場人物に感情移入することも難しい。
結果として、親近感が湧いてこない。
トグサが枝を残したシーンがカットされた。
このシーンは、少佐のチームがロジカルに実力を判断していることを分かりやすく読者に伝えるシーンだった。
チームの性格を紹介するシーンがなくなってしまったため、登場人物たちに肩入れしにくくなった。
第 4 話
面白かった。
やっぱり原作とはだいぶ違う。
原作通りというよりは、別のテイストで再構築した作品という感じ。
男女同権のセリフとか、原作と一対一で検証してもだいぶ違っていそうだけど、それよりも作品の全体的なテイストが違うのが大きいと思う。
一番違うのはカメラの構図かな。
原作は斜めの角度からだったり、ダイナミックな構図が多くて、それが格好良い。
今回のアニメは、その部分が別物という感じ。
原作と違うとばかり言っていても仕方がないので、では何が面白いのかというと、一つは、少佐関連のコミカルな演出の部分かなと思う。
コミカルな演出が少し過剰気味についていて、そこは新鮮で面白い。
今回のアニメ化の特徴的な部分だと思う。
第 5 話
面白かった。
ただ、細かい部分と細かくない部分がいろいろ変わっていて、なんで変えた、と思ってしまう。
原作だと、矢野を映すコマはバトー視点になっていて、バトーの悲しみが伝わるようになっている。
最後の花束のシーンも、少佐が献花したシーンが挟んであって、どの花が捨てられたのか分かりやすく描かれている。
改めて漫画を読むと、引き締まったアートスタイルが本当に格好良いなと思う。
原作に寄せてアニメを制作するのは大変な仕事だなと思う。
劇中の音楽は良かった。
漫画には音楽はついていないので、比較などせず、純粋に良いなと思える。
第 6 話
自動車のシーンなど、作画の綻びが出ているところだけ気になった。
お話自体は普通の対テロ組織のドラマという感じ。
原作でも攻殻機動隊である必然性があまりないような回だった。
敵役の設定も、(戦車以外の)武装も、攻撃の仕掛けも、この作品固有のものはない感じ。
ある意味、日常回というか。
その分、話が分かりやすくて、アニメ化もしやすそう。
攻殻機動隊的な物語としては、次回が本番という感じ。
トドメを刺したシーンの少佐のセリフが一番この作品のカラーが出ている部分かなと思う。
一般に、テロリストが嫌いなのは体制であって、この世の全てではないと思われる。
相馬が生きていれば、何らかの反論があったかもしれない(相馬自体は典型的な悪役っぽくはあるけど)。
ただ、生き残ったものが一方的に主張することができ、負ければ何も言えない。
正義であることは大前提として、正しさを主張するためには実効性が伴っていないといけないというのが、九課の世界観かなと思う。