『ウィッチクラフトワークス EXTRA』の 5 巻を読んだ。
afternoon.kodansha.co.jp
面白かった。
デイヴィッド・リンチの作品みたいだなと思う。
美しい絵、倒錯的な世界、そして謎。
ただし、話の内容は基本的に明るい。
絵について
絵は引き続きめっちゃ上手い。
特に扉絵は雰囲気があって本当に上手い。
フルカネルリ関連で登場するファンタジー絵も上手い。
新登場のロクサーヌのキャラデザも良い(被り物を被る中の人の方)。
フリーハンドで描いているような絵はとても上手い。
読んでいて嬉しくなる。
一方で、素材を作って繰り返し使用しているような部分は作画が微妙なところがある。
背景の無機物はスケールがおかしいような箇所がある。
特に階段は違和感がある(多華宮家の屋内の階段など)。
『ウィッチクラフトワークス』の終盤から、写真を取り込んだような背景が増えた。
写真の取り込み部分は以前と比べるとだいぶこなれてきている感じはする。
倒錯的な世界について
ウィークエンドの呪われた秘密の服装や、妹のランドなど。
この世界を特徴づける独特の設定やお話。
遊園地のお化け屋敷的な、扉をくぐると存在する、日常の隣にある完全な別世界という感じ。
なぜそれを描いたのか論理的に理解することは難しい。
作者が描きたいから描いているのかな。
アフタヌーン的には必然性があるのかもしれないですが。
読んでいて面白いし、作者が楽しんで描いているのならそれで良いなと思う。
作劇的には、話に多様性を持たせて、飽きさせないようにする効果があるのかなと思う。
本筋の事件の話だけを展開すると一本道になってしまうし、シリアスな調子がずっと続くことになる。
奇想天外な話を色々と織り交ぜることで世界が複雑になり、より面白くなる。
フルカネルリからの依頼ミッションについて
『ウィッチクラフトワークス』の主人公は、多華宮君と火々里さん。
一方、『ウィッチクラフトワークス EXTRA』のお話はウィークエンドが進行役になっている。
ウィークエンドが活動している間、本編の主人公たちが何をやっているのかという疑問を埋めているのが、フルカネルリのミッションかなと思う。
このミッションの部分もお話の多様性を増やす要素になっている。
タンデムでのミッション遂行は、一般的な冒険作品ではメインのコンテンツになるようなもので、読んでいて面白い。
魔法世界の話になるので、絵もファンタジックになって視覚的にも面白い。
謎について
『ウィッチクラフトワークス EXTRA』のメインのお話は、ウィークエンドが探偵役になって進んでいる。
『ウィッチクラフトワークス』本編の物語の背景に関する謎が提示され、それに迫ることが物語の推進力になっている。
ただ、差し迫った危機が存在しているような感じではない。
謎が謎であることによってお話の推進力が維持されていることが重要という感じ。
その点もデイヴィッド・リンチの作品みたいだなと思う。
謎がなんであるかについては 41 話が一番解答に近いのかなと思っているけど、どうなんだろう。
お話のテーマと好きなお話
ほとんどの話が、「隠された願望を叶える」ことがテーマになっていた。
希望が叶うお話なので、前向きで、読んでいて楽しかった。
特に好きなのは 43 話と 52 話。
あとり(本体)と綾火(妹)という無口キャラの願望が叶って仲良くしているところの描写が良い。
分割が細かくなっていくコマ割りも良い。
あとがきと本体表紙、本体表紙裏について
ここで補完される情報が結構あって面白い。
あとがきは制作の進行状況が分かって嬉しい。
各話コメントはお話の内容の理解が深まって嬉しい。
EXTRA のお話は、前述の謎が物語の推進力になっている。
そのため、謎が解けたら物語も終わってしまう。
この作品のお話や設定が好きなので、できれば長く続いて欲しい。
EXTRA が終わってしまうのであれば EXTRA 2 など、追加の別のお話があると嬉しい。
例えばフルカネルリ関連のお話など。
その他
まとめ
『ウィッチクラフトワークス』はずっと好きなので、当然この巻も好き。
絵はめっちゃ上手い。
独自の世界も楽しい。
続きも楽しみ。