『約束のネバーランド』観た

面白かった。
絵も綺麗で良かった。

重い話なので、観終わるまでに時間がかかってしまった。

個人的に、絶望系の設定は苦手。
作者のご都合をより強く感じてしまう。
登場人物を極端な苦境に立たせておけば、個人個人の動機や心情に関わらず、行動を起こすしかない。
そのため、とりあえずお話を始めることが可能。
最初から葛藤が用意されているので、ドラマを演出するのも容易。

約束のネバーランド』は、イザベラの絶対悪感と、エマの諦めない姿勢が良かった。
落ち着いたノーマンと、クセのあるレイの頭脳班も良かった。
ドンのキレ芸はない方が良かった。

ネタバレが怖いので、ネットの情報は一切入れずに観ていました。

以下、2 期を見るときのための 1 期の備忘録(ネタバレ)。

これから退場する人(クローネ、ノーマン、イザベラ)に時間を割いて丁寧に描いていたのは良かった。
クローネやイザベラは本編のストーリ上は悪役として描くことを徹底し、退場前の描写で悪役ではない姿を見せる手法は上手かった。
本編のストーリーで個別の心情を描いてしまうと、悪役として成立しなくなってしまう。
非道な悪役と、実体のある生きた人物像を両立させる良い描き方だと思いました。
クローネは長すぎるかなと思いましたが、その分の効果はあったと思います。
この作品で一番良かった点かも。

その副作用として、レイが退場しないということもわかってしまいましたが、そこは仕方のないところ。

ノーマンは生きてそうな感じがしますが、どうなのでしょう。
別室で待機になった後の詳細は不明ですし。
男親の必要性もあるので、生き残る道はありそう。
遺伝的な多様性のためにも、ある程度の人数を維持する必要がありそう。

最終話で明かされるレイとクローネの関係は意外性があって驚いた。

ドンの投石で脱出可能なのであれば、ある意味めっさ逃げ放題なのでは。。
レーダーの性能は低いみたいだし。
筋力がなくても、ボウガン的なものか、投石機が作成できれば脱出は可能。
敷地内に森があるので、ロープを用意する難易度は高くなさそう。
脱出してしまえば、森と川があるので、サバイブは可能そう。

逃げる必要性に気付けるかどうかが肝だと思いますが、高い塀に囲まれていて外に出られないというのは不自然。
外から手紙が来ないのも不自然。
少なくとも、塀に登ろうとする子はたくさんいたと思う。

フィルはずっと謎っぽい扱いでしたが、結局のところ聡いというだけだった。
現時点では、単に思わせぶりだっただけ。
話が進んで、フィルたちの救出作戦が描かれたら印象が変わるかもしれない。

全員脱出にこだわっていたのに、エマが折れたのはちょっと残念。
あとでまた取り戻しに来るという選択は現実的で正しい。
ただ、エマは最後まで誰も見捨てないキャラだと思ってた。
ちょっとキャラがぶれた印象。
「全員救う、どうやって?」というのが物語の推進力にもなっていたので、多少荒唐無稽でも全員救った方が筋は通ったと思う。

イザベラの目的意識や行動原理がよく分からなかった。
単純に利己的で自分の長生き優先なのかな。
『抵抗を諦めてしまった人』という位置付けだと思いますが、むしろこの仕組みの維持に積極的に協力しているような印象。
それだけ望みのない世界ということかもしれませんが、レジスタンス的な生き方もあったと思う。
まだ話に出ていないだけで、実は現状打破のために抵抗の準備を重ねていたとかであれば良いですが、そうであればエマたちに協力しなかった理由の説明がつかない。

本に暗号を忍ばせていたのはエンディングに登場した人なのかな。
今後の展開が気になる。

外側の世界で生きている人類はいそうですが、それが描かれるかどうかは未知数。